それでは、今日も投資の勉強を頑張っていきましょう。前回の授業【不動産投資のリスクヘッジ】に引き続き、不動産投資で利益を掴むための金勘定をしていきます。
小学生・中学生時代に算数で躓いた方は、ここでもう一度算数の勉強をし直しましょう!金を積めば負けないのが不動産投資。負ける奴は積み上げられて行く費用を知らずに見切り発車するやつです(笑)
ようは、かかる費用をしっかりと理解して、それ以上の利益が見込めない不動産は買うなよ!っていう話をしていきます。
不動産投資でかかる費用を知ろう
言わずもがな、不動産投資は不動産を購入し、家賃収入を得て、不動産の価値が目減りする前に売却して利益を生みだします。かかってくる費用もイレギュラーなものを除けば、3つに分類することができます。それは、
- 不動産購入時にかかる費用(初期費用)
- 不動産を所有している間にかかる費用(ランニングコスト)
- 不動産を売却するときにかかる費用←ここ忘れがち!
この3分類です。全部最初に計算してから買わないと購入してから痛い目を見ます。ファイナンシャルプランナーの資格を持つフウタからのアドバイスは、『利益は少なく、費用は多く計算しろ』です。
不動産投資にかかる初期費用ってなにがあるの?
何かのサービスを購入するときって、大抵本体価格とは別で余計な費用ってついてきますよね…不動産投資の場合、その余計な費用がめちゃくちゃ多いです。この後に細かい内訳は説明しますが、全部合わせてざっと物件価格の10%ぐらいかかります。
①不動産登記費用
不動産を購入すると、所有権が他人から自分のものに変わります。その名義を書き換えるための費用です。登記費用は【税金】と【司法書士報酬】を合わせたものです。ローンを組むと抵当権というものが付いてくるのですが、その抵当権の設定費用っていうのもここに含まれます。
よくここの税金部分の計算を長ったらしく説明する人もいますが、たぶん素人ですね(笑)だって税金より司法書士報酬のほうが高いもん!司法書士によって全然違うし!上でいう税金(登録免許税)の計算方法は書きますが、あまりあてにしないでください(笑)登記費用はざっくり30~40万円です。
≪登録免許税の計算方法≫
土地・・・固定資産税評価額×1.5%
建物・・・固定資産税評価額×2%
②不動産取得税
どっからでも税金取ろうとしてきますねほんと(笑)これは物件購入後半年ぐらいしてから請求が来るものなのですが、これは簡単に計算ができます。
≪不動産取得税の計算方法≫
土地・・・固定資産税評価額×2分の1×3%
建物・・・固定資産税評価額×4%
3,000万円のマンション(土地2,000万円/建物1,000万円)の場合
(2,000万円×2分の1×3%)+(1,000万円×4%)=70万円
※土地部分については、さらに控除がありますが、面積なども絡むのでここでは考えないことにします。
③印紙税
またまた税金(笑)国会議員を半分減らしたら絶対みんな年収上がるよね(笑)不動産の売買契約書に貼る必要があるものです。これは物件の購入価格によって異なってきます。
3,000万円のマンションを購入したら1万円ですね。
④仲介手数料
≪仲介手数料の計算方法≫
物件価格×3%+6万円+消費税
物件価格が400万円を下回る場合は計算方法が変わりますが、400万円以下なんて間違いなく癖のある物件なんで、素人は手を出さないでください(笑)
売主から直接購入する場合には、この仲介手数料はかかりませんが、売主物件には、物件価格のほかに(消費税、売主が買い取った時の仲介手数料、売主の利益)が乗っているので注意してください。ただ、仕入れの優秀な業者だとほんとにお買い得な物件もあるので、売主物件を最初から候補外にするのはやめましょう。
3,000万円の物件を購入した場合は、1,056,000円です。
⑤融資事務手数料・保証料
これはローンを組んで不動産投資を始めるときのみ該当します。これも購入する不動産の価格によって異なってきます。銀行によって異なるのですが、ざっくり3%で見ておけば大丈夫でしょう。
3,000万円の物件を購入した場合は、90万円です。
全部合わせると綺麗に10%になりましたね。
不動産は所有しているだけでお金がかかる
続いては、賃貸経営をしている間にかかり続けるランニングコストです。これはざっと家賃の20~30%程かかってきます。ずーっと費用とにらめっこ…心が折れないように踏ん張ってください(笑)家賃収入が月に20万円、年間240万円として計算していきますね。3,000万円のマンションだと表面利回り8%の計算になります。
①管理委託料
これは賃貸の管理をお任せしている業者に支払う費用ですね。会社によって異なりますが、概ね5%程度です。管理委託料を払うことによって、
- 賃料の回収
- 部屋の管理
を行ってくれます。管理委託料を多く払えば、設備の保証をしてくれる会社なんかもありますね!壊れたタイミングで交換したほうが安いので、設備の保証はつけなくてもいいと思います。
この管理委託料が年間で10万円かかります。
②入居者募集費用(仲介手数料)
基本的に賃貸の契約は2年更新の普通賃貸借契約を結ぶことが多いです。※定期賃貸借という方法もありますが、メリットがないので省きます。
入居者募集費用は、借主が入れ替わるたびに発生するので、同じ方にできるだけ長く住んでいて貰いたいですね。2年更新とはいえ、2年を待たずに退去される方もいますが、そんな人からは違約金を取る契約にすれば問題ありません(笑)※1年未満の退去で家賃1か月分の違約金を設定することが多い
毎回更新せずに、借主が変わった場合、2年ごとに20万円かかるわけですから年間で10万円の計算になります。
③修繕費やクリーニング費用
ペット禁止!タバコ禁止!
いきなり声を荒げてしまいました(笑)文章ですけど…借主の使い方が汚いと退去時に修繕費やクリーニング費用がかかります。原状回復費用としてどこまで借主から取れるかは非常に曖昧で仲介業者が中抜きしていることも…
っていう憶測は置いておいて、修繕費・クリーニング費は家賃の8%ぐらい見込んでおきましょう。借主が綺麗に使ってくれてたら儲けもんぐらいの感覚です。長期的な水回りの交換や給湯器交換も加味した費用計算です。
ペットやタバコを禁止すれば少し費用を抑えられそうですね。反対にペット人気は根強いですから、ペット可にして家賃を多くとる作戦もありかもしれません。ミニブタとか流行っているらしいですし、ブタって綺麗好きらしいので、あんまり汚れないらしいですよ(笑)
とまあ予断はおいておいて、家賃の8%で計算をすると、年間で192,000円の費用となりますね。
④火災・地震保険料
この保険は入っておかないと痛い目をみますよ。借主なんて赤の他人ですから、火の始末とか信用なりませんからね(笑)ましてや日本は地震大国!地震保険も必ず入っておきましょう。地震を原因とする火災は、火災保険では保障されません!意外とこれ知らない人が多いです。過去に起きた震災でも、住宅被害のほとんどは火災ですから地震保険は必須でしょう。
地震保険は、あくまでも火災保険の特約としての扱いなので地震保険だけってのはできないのも注意が必要かもしれません。
この火災・地震保険は長期一括払いで加入するケースが多いので初期費用のほうに入れるか悩んだのですが、解約時には支払い済みの保険料が戻ってくるので、ランニングコストとして計上しました。
さて、こちらの費用は保険会社・契約期間によって異なりますが(地震保険はどの保険会社でも一律)、1年あたりにすると3万円程となります。※投資対象をマンションと仮定
⑤管理費・修繕積立金
これは、マンションに限った話ですが、マンションにはそれぞれ管理会社が入っており、共用部分(室内以外のすべて)の管理・修繕をしてくれます。これは室内の広さや築年数、管理会社によって変わってきますが、概ね2~3万円程です。3万円ともなるとファミリー向けの広さですね。少し余裕をもって3万円で計算しておきましょう。
⑥固定資産税・都市計画税
再び税金さんこんにちは(笑)ほんと飽きずによくやるね(笑)固定資産税・都市計画税は固定資産税評価額の1.7%です。3,000万円のマンションで仮定していますが、評価額は3,000万円もしないです。
評価額は、大体物件価格の3分の1ぐらいに落ち着きます。だからお金持ちは不動産を買うんですね(笑)単純計算で税金が3分の1になるってことですから。
少し脱線しましたが、3分の1の評価額ってことは、1,000万円×1.7%=17万円が固定資産税・都市計画税となります。
⑦所得税・住民税
… これは、皆さんの所得によって税率が変わってきます。なので試算が難しいですが、給与所得・不動産所得が合わせて500万円(経費等を控除した前提)としたとき、
- 所得税…税率20%(控除額427,500円)
- 住民税…税率10%+5,000円
試しに計算してみましょう。
- 所得税…500万円×20%-427,500円=572,500
- 住民税…500万円×10%+5,000円=505,000円
- 合計…1,077,500円
めっちゃデカいけど給与収入の分も入ってますから、なんとも言えません。むしろ経費計上を多くすることによって、節税をする人もいるぐらいですからランニングコストの計算からは除外してもいいかと思います。
ここまでのランニングコストをまとめると、622,000円で賃料の約25%となりました。
最後、売るときにもお金がかかります。
かかる費用の紹介は次で最後です。心折れずについてこれてるかな?最後にかかる費用は3つだけなのでさらっと行きましょう!
①②仲介手数料・印紙税
購入時にもかかった費用がもう一度かかってきます。計算は先ほどと全く同じ!なので以下省略!
③抵当権抹消費用
これはローンを組んだ時に設定された抵当権を取り外す費用で、司法書士に払います。司法書士によって異なりますが、ざっくり2万円程です。
④譲渡所得税
最後にトドメの税金です!これは買った時より高く売れたよ!って時にかかります。ただし買った時より築年数も経っているし、その分価値を減らした状態で評価されます。
且つ、購入時・売却時にかかった費用を差し引くことができるので、この税金がかかるときは相当儲けた時なので、試算からは除外します。
この税金は、不動産の所有期間によって税率が変わってきます。
- 短期譲渡所得税(所有5年未満)…39.63%
- 長期譲渡所得税(所有5年以上)…20.315%
頭の片隅に置いておく程度で大丈夫です。
売却時にかかる費用は合計で、1,086,000円となりました。
結局手元にいくら残るの…
散々、費用の話ばかりしてきましたが、結局手元にいくら残ってるの…
フウタが思う不動産投資を成功する秘訣は、年間の利益で計算しないことです。手元にいくら残るの?なんて考えずに最終的にいくら儲かるの?です。前回の授業の内容も少し交えて最終的な投資手法の提案をしたいと思います。
15年経ったら売るつもりで試算しよう!
これが結論です。15年間で、
- 費用は合計でいくらかかるか
- 収入はどれくらい入るか
- ローンを借りるなら利息も加味して
最後にいくら利益が出るの?っていう計算をします。仮定として15年経過で不動産の価値が10%減少したとします。
ちなみに3,000万円フルローンいけたとして、金利3.2%で15年ローンを組むと、月々の支払いが『約21万円』総支払額は『約3,780万円』となります。
- 支出合計…5,120万円=3,780万円(購入価格:利息込)+1,340万円(諸費用計)
- 収入合計…5,400万円=2,700万円(家賃収入)+2,700万円(売却価格)
15年間で280万円の利益です!
こんな感じでトータルで計算しましょう!
15年かけてたったの280万円かよ…
って思いましたよね。だからフウタは不動産投資はやらないんです。大きいお金を動かすのに薄利多売だから…でも自己資金が多く、ローンを組まなくてもいける人にとっては、節税もできて安定収入を見込める絶好のお財布になるんです。はやくフウタも不動産投資に手が出せるぐらい余裕資金が欲しいものです(笑)
さて、今回はかなり長くなってしまいました。皆さん最後までお疲れさまでした。次回は『仮想通貨』について解説していきたいと思います。それではまた次の授業でお会いしましょう。